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日記
Posted by - 2025.05.06,Tue
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Posted by No Name Ninja - 2008.10.10,Fri

ぎりぎり!!
ではではいきなりいっちゃいます。





銀誕小説-銀沖編-





*****





 

――最初に気になったのは、実は君の隣の黒い男。

 

 

行動パターンが自分と似通ったそいつに、
嫌悪と少しの親しみを感じずにはいられなかった。
 

君の存在が俺の中に入ってきたのは…そう、鬼を弔ったあの闘技場。
 


『旦那は俺と、同じ種類の人間だと思ってやした』
 


別に何と言うことのない台詞。
だけど、きみと俺はあまりに違う気がしたから、その言葉に興味を持ったんだ。

無表情だけど綺麗な顔とサラサラストレートの髪、口から生まれたような銀髪天パの自分と、表面上は全く似ているようには感

じない。
 
 
だけど、その言葉に、妙に納得している自分もいた。
 
 
きっと、君が気になり出したのは、それから。
 
 
黒い隊服が目に入って、以前ならふと、大串君を探していた。

 
だけど、今探すのは、甘いミルクティー色の頭。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


「…ん…」
 

俺が起き上がったときにできてしまった隙間から風が入ったのだろう。
少し寒そうに隣で眠る沖田君が身じろいだ。

 
ごめんね。
心の中でそう呟きながら、起こしてしまわないようにそっと布団をかけなおす。


 
「…ん…旦那…?」


 
しかし、感のいい彼のこと、目が覚めてしまったようだ。
 


「ごめんね。」


 
今度はそう、声に出して言うと、


 
「…どうしたんですかィ?」


 
ことんと、眠そうな瞳そのままに、俺のほうを見て首をかしげた。
 
 

やさしい子だな。

 
 
その様子を見て、暖かいものが心を満たす。
 

いつだってそうだ。
この子は敏感に俺の感情を察してくれる。
 
 
普段はサド王子なんて呼ばれているし、実際そのとおりなのだが、
その実、沖田君はとても人に優しい。


 
それを最初に感じたのはいつだったか、もう思い出せない。
 
だけど、あの、伊東の反逆のとき、強く感じた。
 
 
あぁ、この子の腕なら、いつだって憎いアイツを殺せるだろうに。
 
 
口では散々言っても、あの子はきっと、アイツのことが大切で。
 

だから、アイツを隊から逃がして、守ろうとした。
自分一人で、背負い込んで。
 
 


やさしい子。
 
 


闘技場の時だって、お姉さんの時だって、柳生の時だって。
いつだって彼が戦うのは、誰かを守りたいからで。自分の正義を貫きたいからで。

でも、相反する自身の想いと環境と、良心との間で苦しんでいる。
 
 
そうしながら、もう何十も、何百も、斬って斬って斬って。
 
朱い朱い憎悪を、頭から爪先まで浴びて。
 
 
だけど信じたものを貫きたくて。守りたくて。
 
 
それでも染まるまいともがいて。
 
 
そのジレンマは、決して解消されることはなく、苦しいけれどどちらも捨てられなくて。
 
 
 

…あぁ似てると。
 
 
いつかの自分に、似ていると思った。
 
 
 
 
感情を抑えることで、防衛しているんだろう?
俺が、無気力を盾にしているように。
 
 
 


…でも、だからとても安心するんだ。
 

君がキレイでいてくれることに。
 

 

君が俺を、愛してくれていることに。

 

 

 

 

 
 
 


 


「じゃあ旦那、そろそろおいとましまさァ。」
 

 
そういって、黒い上着を羽織った君の腰を、軽く抱き寄せた。
 
そのまま、空いている方の手できっちりと整えられたスカーフを解くと、首元に噛み付く。
 
 

「旦っ…んっ…」

 
 
ちゅ、と軽い音を残して離れた首筋には、赤い赤い、愛情の印。

 
 

「お仕事、頑張ってね。」


 
 
慌てて首を押さえて赤くなる君は、とても可愛い。
 
 
 
 
 
「いってらっしゃい」
 


 
君は送り出す俺に、少し振り向くと、
 

 

「いってきまさァ。また、明日。」


 
 
その無表情を少しだけ崩して笑んだ。
 
 
 
また、明日。
 
 
 
明日は10月10日。
俺の、誕生日。
 
 
 
(来てくれるんだ…。)
 
 
 
今はもう無人となった玄関を見ながら、俺は軽く微笑んだ。
 
 


あぁ、明日が楽しみだ…

 

 

 

 



…これ、微妙にスカーフで隠れねェじゃねーですかィ…



****

銀誕銀沖でした!
お粗末様ですみませんっ(><)33

この神的な挿絵は、りょうかちゃんが書いてくださいました!!
ホンットありがとうございまっす!!!!!
超美麗!!!


 

 

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